看護師の業務を行う上で患者が非協力的だったり、暴言や暴力を振るうようになるケースも少なくありません。そのような場合、円滑な看護ケアを進めるためにどうしても怒ったり、注意しなければなりませんよね。怒らなければならないときの怒り方のポイントは、相手を傷つけるのでも反省させるのでもなく、相手にどうしてほしいかを効果的に伝えることにあります。まずは怒りをコントロールするために、とにかくゆっくりと穏やかな口調で話すことが大切です。怒っているとつい早口になりがちですが、これではいら立ちだけが伝わり、肝心な話の内容が伝わらなくなってしまいます。
にこやかな表情を作りながら、看護ケアをする前に同意を得たり、会話を楽しむなどして自分の話したいことを伝えるようにしましょう。その際腕組みやにらみは、敵意を与えるので絶対行ってはいけません。さらに、日常的に語彙を増やして的確に伝えることも重要です。怒りを表現する言葉はいくつもありますが、カッとなった瞬間はコントロールできずに言葉が思い浮かばなくなりがちです。これでは怒りの程度を伝えることができず、誤解が生まれてしまいます。日頃から言葉に敏感になって引き出しを増やしておきましょう。
また怒りを伝えるときは、言動が好ましくない患者であるあなたが悪いと責めるのではなく、看護師である私は困っていると、自分の意見を伝えましょう。主語をあなたではなく私にすることで、相手を責めるようなニュアンスを減らすことができます。互いの気持ちを確認して、より良い関係性を築くように心がけましょう。